活動報告
国際防災教育コーディネーター2期生関西研修を実施しました!
10月3日(土)~4日(日)の2日間、防災教育コーディネーター第2期生の研修として、関西で1泊2日の研修を行いました。
今回の研修には、京都大学防災研究所の中野先生にも同行いただき、阪神・淡路大震災の経験から学ぶとともに、災害のメカニズムや防災教育のあり方について学びました。
防災について「知る」だけでなく、自分たちの地域で何ができるのか、そして学んだことをどのように人に伝えていくのかを考える2日間となりました。

1日目|人と防災未来センター
1日目は、兵庫県神戸市にある人と防災未来センターを訪れました。
まず、阪神・淡路大震災当時に兵庫県職員として災害対応にあたった方から、約40分にわたって当時の経験をお聞きしました。
震災発生直後の状況や、行政の現場で何が起きていたのかなど、実際にその場にいた方だからこそ語ることのできるお話を伺いました。
その後は、館内のミュージアムを見学。
映像や資料などを通して、阪神・淡路大震災の被害や復旧・復興について学びました。

「知る」だけで終わらせない。アウトプットの時間
見学後には、グループで学びを振り返るワークショップを行いました。
まず、「今回の体験を通してどう思った?」という問いについて、一人ひとりが感じたことを共有しました。
・避難ルートなど、事前に確認しておくことが大切だと思った
・人間性や、人と人とのつながりを大切にすることが重要だと改めて感じた
・映像が印象に残った
・いろいろな事例があり、自分と共感できる部分があった
などの声がありました。
また、中には、
「参加するまでは、どこか遠い国の出来事のように感じていた。でも、実際にお話を聞いたり、展示を見たりすることで、すごく身近なこととして感じられた」
という声も。
実際の体験談や展示に触れることで、「過去の出来事」だった震災が、「自分たちにも起こり得ること」へと変わっていくことを実感しました。
松山市民として、私たちにできることは?
続いて、「私たち松山市民として何ができるだろう?」というテーマで、具体的なアイデアを出し合いました。
- ・外国人住民が避難訓練に参加しにくい現状があるなら、誰もが参加しやすい環境をつくる
- ・松山市に「ミニ防災センター」のような場所をつくり、地域の防災情報や写真などを集めて展示する
- ・学生だけでなく、さまざまな世代・立場の人が参加でき、楽しみながら防災を学べるイベントを開催する
- ・古い住宅など、地震の際に危険となる可能性のある住環境について、災害が起こる前から考えていく
など、さまざまな意見が出ました。
防災というと、「避難訓練」や「備蓄」などを思い浮かべがちですが、今回の話し合いを通して、外国人住民を含め、誰もが防災情報にアクセスできる環境づくりや、地域のつながりをつくることも防災の一つだと気づきました。
31年が経った今、経験をどうつないでいくか
今回、特に印象に残ったのが、「語り継ぐこと」の大切さです。
阪神・淡路大震災から、2026年で31年。
震災当時40歳だった人は、現在71歳になります。50歳だった人は81歳になります。
震災を実際に経験し、その時に何が起こったのかを自分の言葉で語ることのできる人は、少しずつ減っています。
だからこそ、今回の研修で学んだことを自分たちの中だけにとどめるのではなく、次の世代へ伝えていくことも、私たちにできる大切な役割だと感じました。
「学んだことを、発信する手伝いをしてほしい」という京都大学防災研究所の中野先生の言葉も、強く心に残りました。



2日目|京都大学防災研究所
2日目は、京都大学防災研究所を訪れました。


まず1階のミュージアムを見学し、地震や津波など、さまざまな災害がどのように起こるのか、そのメカニズムについて学びました。
前日の「被災した人の経験や思い」とはまた違った角度から、災害そのものを科学的に理解する時間となりました。


「伝える」ための授業をつくる
その後は3つのグループに分かれ、実際に防災教育の授業を設計するワークショップを行いました。
高校生を対象に授業を行うチームと、市役所職員などを対象に授業を行うチームなど、それぞれ対象者を設定し、授業のタイトルや内容を考えました。
例えば、
「『災害』と聞いて、どんな言葉を想像しますか?」
という問いから、参加者が思いつく言葉をすべて書き出してもらうなど、一方的に知識を伝えるのではなく、参加者自身が考え、対話しながら学べる授業について検討しました。
同じ「防災」というテーマでも、対象者によって必要な情報や伝え方は異なります。
今回のワークショップを通して、「何を伝えるか」だけでなく、「誰に、どんな方法で伝えるか」を考えることの大切さを学びました。






2日間の研修を終えて
今回の研修では、阪神・淡路大震災の経験を「語り部さんの言葉」から学び、災害のメカニズムを「科学」の視点から学び、さらにそれを「誰かに伝える」ための授業づくりまで体験しました。
防災は、災害が起きたときのための知識を身につけるだけではありません。
人と人とのつながりをつくること。
誰もが必要な情報にアクセスできる環境をつくること。
過去の経験を次の世代へ伝えていくこと。
こうした一つひとつの取り組みも、防災につながっているのだと感じました。
今回の研修で得た学びを、これからの防災教育や地域での活動に生かし、外国人住民を含め、誰もが安心して暮らせる地域づくりにつなげていきたいと思います。
2日間にわたり同行し、専門的な視点から学びを支えてくださった京都大学防災研究所の中野先生、貴重な学びの機会を提供してくださった皆さま、本当にありがとうございました。






